2019年10月の法改正の影響で登場した新プランで分かった携帯会社の2年契約有無による月額料金設定の本当の意味

2019年10月から改正電気通信事業法が施行されます。その法改正の影響で、ドコモ・au・ソフトバンクなどの主要キャリア(携帯会社)では現在展開している一部プランの新規受付が2019年9月で終了させたり、2019年9月~10月から新しいプランを始めるといった動きに繋がっています。
その中で登場するのが2年契約縛りと更新月以外での解約やMNPで発生する契約解除料と2年契約があるかないかで変わってくる月額料金の価格設定。
総務省の指導により契約解除料は最大1,000円まで、2年契約の有無による月額料金の差額は月額最大170円までといったルールが設けられたことで、そのルールに則った形で主要キャリアが新プランを投入してきました。
そのプランの料金を一通り見て、ふと思ったことがあったので今回、記事にしてみました。
2年契約と契約解除料について

2年契約についてよく分からない人もいると思うので、少しだけ2年契約について解説します。
2年契約は契約期間を2年間縛ることで月額料金を定価から値下げして利用することができる契約のことです。大手キャリアの2年契約で最も月額料金を抑えられる契約は自動更新型の2年契約ですが、これは、契約してからちょうど2年目にあたる契約満了月とその翌月と翌々月の合わせて3ヶ月間を更新月として、この期間内であれば、解約やMNPをしてもペナルティ(契約解除料)が発生しませんが、この期間外での解約やMNPには契約解除料が発生します。
自動更新の2年契約の場合には、特に何もしなければまた2年契約を自動的に契約する形になるので、上のイメージ図のように3年目以降もこのループが継続します。

2年のうち契約解除料が発生しないのはわずか3ヶ月という短い期間のため、携帯会社を変えたいと思ったタイミングでは契約解除料が発生するタイミングだったり、そもそもの契約更新月がよく分からなくなるといったことも普通にあり、契約解除料が足かせとなって、そのまま同じ携帯会社を使い続けるといったことは多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか?
最近までの契約解除料は
ドコモ・au・ソフトバンクといった主要なキャリアの2年契約の契約解除料は9,500円の価格設定をしていました。ただし、法改正によるのルールで契約解除料は1,000円が上限となったので、契約解除料が9,500円で展開しているプランは2019年10月以降の新規申し込みは受けられなくなり、1,000円ルールをクリアした新プランを作る必要がありました。
●かつての主要3大キャリアの2年契約に関する契約解除料
ドコモ | 9,500円 |
---|---|
au | 9,500円 |
ソフトバンク | 9,500円 |
かつてのプランでは2年契約(自動更新)をしているか、2年契約をしていないかで月額料金に大きな差額がありましたが、こちらは総務省の最大170円の差額ルールを2019年10月以降の新規受付プランではクリアする必要がありました。
●かつての主要3大キャリアの2年契約有無による月額料金の差額
ドコモ | 1,500円差 |
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au | 1,500円差 |
ソフトバンク | 2,700円差 |
※当然ですが、2年契約なしにすると上記金額分月額料金が高くなります。さらに一部のキャンペーンについては2年契約をしていないと適用されないといったものもありました。
今後の新プランの契約解除料は大きく2つに分かれている
総務省ルールをクリアした新プランは2019年9月から登場してきましたが契約解除料と2年契約有無による月額料金差は大きく二つに分かれることになりました。
●2019年9月以降の主要3大キャリア新プランの2年契約に関する契約解除料
ドコモ | 1,000円 ※2019年10月以降申し込み分から |
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au | 1,000円 ※auデータMAXプラン netflixパック以降の登場プランから |
ソフトバンク | 0円 2年契約自体を撤廃 ※2019年9月13日以降申し込み分から |
●2019年9月以降の主要3大キャリア新プランの2年契約有無による月額料金の差額
ドコモ | 170円差 ※2019年10月以降申し込み分から |
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au | 170円差 ※auデータMAXプラン netflixパック以降の登場プランから |
ソフトバンク | 0円 2年契約自体を撤廃 ※2019年9月13日以降申し込み分から |
※改定電気通信事業法の影響を同じように受ける、ワイモバイル、UQモバイル、楽天モバイルはソフトバンクと同じ2年契約自体を無くし、契約解除料0円の新プランを2019年10月から開始します。
※ドコモについては「dカードお支払割」の提供を2019年10月から受付開始しますが、このキャンペーンを利用している人は契約解除料が1,000円から0円になる特典が付いています。
ドコモ、auは改正電気通信事業法を遵守し、最大限可能な上限金額で価格設定を行い、ソフトバンクはさらに踏み込み2年契約自体を無くし、いつ解約しても契約解除料がかからないようなプランを展開する形になりました。
総務省ルールをクリアした主なスマホプラン
上記の契約解除料、月額料金の差額になる総務省ルールをクリアした3大キャリアの料金プランをまとめると以下のようになっています。
ドコモの場合
auの場合
- auデータMAXプラン Netflixパック ※2019年9月13日受付開始
- auデータMAXプラン Pro ※2019年10月1日受付開始
- auフラットプラン25 NetflixパックN ※2019年10月1日受付開始
- auフラットプラン20N ※2019年10月1日受付開始
- auフラットプラン7プラスN ※2019年10月1日受付開始
- 新auピタットプランN ※2019年10月1日受付開始
ソフトバンクの場合
- 2019年9月13日から始まった各種プラン
契約解除料が下がったことで月額料金はどうなったか?
契約解除料や2年契約有無による月額料金格差が下がったプランになったことで、そのしわ寄せは毎月の月額利用料が全体的に上がるかと思いきや、新プランの料金は、当初の2年契約を適用していた割引後の価格と最終的には特に変わらない(旧プランのなかで新しいプランの場合)といった結果になっていました。

つまり、2年契約をしない場合の価格は旧プランより新プランの方が安い料金設定に。
当初の2年契約による月額料金値引きの立てつけ
以前の月額料金の価格差が1,500円 or 2,700円付いていたころの2年契約の立てつけはこのような感じだった(ショップからの説明なども含む)かと思います。
- 基準となる定価の料金は2年契約の無い月額料金
- 2年間の縛りのある契約をすることによって毎月の利用料金から値下げした価格で提供することができる
今回の新プランの料金から考える実際の月額料金の立てつけ
ただ、今回の新プランでは、高くなることも安くなることもなく、当初の2年契約ありの場合の月額料金を踏襲していたことから、実際の月額料金の立てつけはこちらの方が正しいのではないでしょうか?
- 基準となる定価の料金は2年契約のある月額料金
- 2年間の縛りのある契約をしない場合はペナルティとして毎月の利用料金から一定の料金を上乗せした価格で提供する
今回の新プランは総務省ルールに合わせた内容にしただけ
携帯会社は日本国内の企業なので、国の法律は守る必要があり、契約解除料や月額料金差についても法律を守るために、一応合わせただけのプランで、ほかの点は特に従来の主力プランから変えない(ただし携帯会社にとって都合の悪いこともこのタイミングを使って改定もする)といったプランになったのが実際のところではないでしょうか。

料金プラン自体は新旧で契約解除料程度の差しかありませんが、端末代金の扱いについても法改正で割引・還元可能な金額に上限を設けられ、こちらは2019年10月以降は大幅に減るので、機種変更(機種購入)については、2019年9月中にやっておいた方が良いかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
また、次回もお楽しみに!